【キャリブレーション】カラダは決してごまかせない

心理学用語集とは

アイビーマッピングの中でよく使われる用語をアイビーマッピングの体験談を交えて解説します。

今回の用語のポイント

カラダは決してごまかせない by にっこり

おはようございます。
特別支援教育士で
アイビーマッピングマスターの
にっこり(西村明子)です。

初めましての方々との交流場面。

人との新しい出会いは
リアルでもオンラインでも

好奇心がくすぶられることがある半面
緊張することが多いものです。

どんな人達が集まっているのかな?

自分は受け入れてもらえるのかな?

期待と不安が入り混じった気持ちが
表情や声のトーン、姿勢や息遣いに
表れることもあります。

ある寒い冬の日。
私の教室に見学に来た
小学生A君とお母さんもそうでした。

初めまして。
〇〇です。よろしくお願いします。

お母さんは低めの声のトーンで
しっかりこちらを見て挨拶された後、
うつむき加減で着席されました。

一方、A君は無言。
きりっとした目で睨(にら)む感じで
こわばった表情。

緊張からなのか?
あるいは
反抗心からなのか?

むむ。ちょっとA君は手強そう。
あまり心を開いて話をしてくれないかも…

親子のからだのサインから
緊張感が伝わってきたので

今日も寒いですね~!
どうぞ楽にしてくださいね~

にこっと笑顔で話しかけたら

A君の表情が緩み
上着とトレーナー、長ズボンを脱ぎ捨て
半袖、半ズボンになって着席しました。

カラダのサインを読み取る

張り詰めた気持ちを開放するかのように
半袖、半ズボンになったA君。

よく見ると、Tシャツは裏返しでした。

服のタグが皮膚に触れるのが苦手な子もいるので

あれ?Tシャツが裏返しやね。
タグが当たったら気持ち悪いからそうしているのかな?

と聞いてみると

うん、そう!

と、笑顔で答えるA君。

じゃあ、セーターとかはちくちくして
嫌だよね?

そうやで。セーターはムリやわ。
ちくちくなんて絶対無理!

表情が緩み、元気に答えるA君を見て
裏返しのTシャツ姿を怪訝そうに見ていた
お母さんにも笑顔が広がりました。

私たちは相手との親密さに応じて
心理的な距離を無意識のうちにとっています。

そのため、発する言葉とは裏腹の
カラダからのサインを読み取ることは
相手の心の動きに気づくことにつながります。

相手の心理状態を言葉以外のサインで認識することを
『キャリブレーション』と言います。

姿勢や動き、呼吸、表情、声のトーン・テンポなど

非言語のサインを読み取ることができれば
共感力も深まります。

バックトラッキング3つの方法

方法その1
相手の話した「事実」を繰り返す

ただ相手の言葉を
そのまま返すところから
やってみましょう

「そうなのね~
お母さん80歳でひとり暮らしなのね
足腰が弱くてもの忘れもあるのね」

やってみるとわかりますが
話を聞いてもらってるという
安心感を感じてもらうのには
とても有効です

では次のステップ
方法その2
相手の話した「感情」を繰り返す

「そうなのね~
もの忘れが激しくなってきたのね
それは心配で不安よね~」

自分の感情を繰り返してもらった
Aさんの気持ちはどうでしょう?

ますます安心で信頼して
色々と話したくなりますよね

「ワタクシ様」なあなた
いかがですか?

事実や感情を繰り返すだけなら
できそうではありませんか?

問題なのは
方法その3です

キャリブレーション効果

キャリブレーションを使うことで
A君やお母さんとの心理的距離も縮まり
緊張から解放されたA君の
人懐っこい一面を引き出すことができました。

裏返しのTシャツ。
恥ずかしいなとかあわてんぼうだなとか
マイナスのイメージで捉えるのではなく

裏返しになっている理由を聞いてみることで
A君の気持ちが引き出され
共感から信頼関係を築くことにつながりました。

言葉でなく、様子を見ることで
相手の気持ちを察する。

キャリブレーションを使うことは

本当はこう思っているけれど、なかなか言えない

という部分への気配りにもなります。

マッピングでラポールを築く際にも
キャリブレーションは有効なんですよ!

最後に今日のまとめ!
*言葉以外のサインをよく観察して相手の気持を読みとる
*感じたことを相手に言葉で伝えて確認する
 ↓
本音が引き出されて信頼関係構築につながる

相手から発せられるサインに注目して
今日も素敵な1日を~(^^♪

投稿者プロフィール

にっこり特別支援教育士・マッピングマスター
発達障害児サポート教室を運営して20年。個性豊かな子ども達に接していて一番に思うことは、みんな違いがあるからこそ面白い!ということ。違っていることを楽しみながらコミュニケーションを図るのに、アイビーマッピングは最強のツールです。保育士など支援者向け研修も担当。保護者、支援者が繋がり、情報交換できる場も提供しながら、十人十色に輝ける場つくりに力を入れています。