薬剤師が使うアイビーマッピング

私は、長い間薬剤師として仕事をしてきました。薬局や病院など、さまざまな場所で勤務する中で、いろんな経験を積んできました。薬剤師の仕事は「安定した職業ね」と言われることが多いけれど、実際にはそうでもありません。昔、上司から「未来に向けて仕事がどう変わるかもしれないから、覚悟しておいた方がいいわよ」とアドバイスをもらったこともあります。
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仕事を続けるためには…。

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上司からアドバイスをもらった時に、私は「では、どうしたらいいのかしら?」と考えました。テクノロジーの進化とともに業務内容も変化していく…。しかし、機械やAIの進化に関わらず、コミュニケーションの力はいつまでも変わらないと感じるようになったのです。

そして、私が出会ったのが「アイビーマッピング」です。これは紙とペンを使って簡単に行えるもので、すぐに取り入れる事ができます。

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患者さんにアイビーマッピングを使ってみると。

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例えば、生活習慣病を抱える患者さんに、食事や運動のアドバイスをすることがあります。血糖値のコントロールが難しい患者さんに対して、アイビーマッピングをしてみました。

ある患者さんは、「食事には気を付けている」「雑誌の情報を取り入れている」という話をしていました。「間食を甘いものから胡桃(くるみ)に変えてみたの、体に良いと聴いたから。」と。

しかし、マッピングをしながら話を続けて聴いてみると毎日一袋の胡桃を食べていることが分かりました。その事に気づいた彼女自身も驚いていましたし、これを機に少し調整を考えるようになったようです。

急いで帰りたい患者さんにアイビーマッピングを取り入れることは難しいかもしれません。しかし、逆におしゃべり好きな患者さんにはとてもマッチします。また、認知症症状が見られる患者さんにも良い結果が出ました。同じ話を何度も繰り返すことがあるけれど、アイビーマッピングを通じて自分自身でも理解しやすくなり、問題解決への道筋を見つけられることがありました。

私は、これからも医療や介護の現場でアイビーマッピングを活用し続けたいと考えています。これを特別な手法ではなく、日々の中で自然に取り入れていくことが大切だと思っています。