『パートナーと私。在宅医療の現場で』

総合内科専門医でアイビ-マッピングマスター、
Holistic Life Designの谷口恵子と申します。

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仏壇にまつわるお話(1)我が家にて

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昨年、主人の実家から、
『仏壇の引っ越し』をしました。

主人は子供時代に毎日神棚と仏壇に
お供えをする習慣がありましたが、

昨年からは共同で主人が毎日、お線香を立てて、
私がお花の水を替える新習慣がスタートしました。

毎日ご先祖や自分に向き合う時間を
私も「心が落ち着く」と感じていますが、

ある時、主人が新習慣について同意した私に
感謝の気持ちを伝えてくれました。

このことをきっかけに
主人との関係性、パ-トナ-シップが
少し変化したように感じています。

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仏壇にまつわるお話(2)在宅医療の現場で

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またまた仏壇にまつわるお話。

最近印象に残った
97歳の重症心不全の女性についてのお話です。

その方は有料老人ホ-ムの自立棟に入居しておられますが

度重なる胸痛で緊急受診、入院を繰り返していました。

「もう病院には行きたくない。入院もしたくない。 」

自立棟なのでナースコールの時のみの対応なのに、

ナ-スコールを押すと病院に連れて行かれるので
めったに押さない。

切羽詰まっての緊急受診、入院。
そして心不全は悪化するばかり。

同じ老人ホーム内での介護棟への引っ越しを勧められましたが、

「仏壇を持って行けないのであれば行かない」

といって聞き入れてもらえません。

そこで、訪問診療の依頼があり、
私が伺うことになりました。

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Narrative Based Medicine
     (物語と対話に基づく医療)

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ナラティブ・ベースド・メディスンとは、
その方の生き方をお聞きしたことをベースに
最善の治療やケアを目指す医療を指します。

ここでアイビ-マッピング的思考の出番です。

なにせ97歳、

お耳も遠い。

病状的にもたくさんのことをお話しできない状況。

でも、その中でご自身の希望を端的に述べられる○○さん。

なんて素敵。とお会いする前からワクワクする私。

さて、言葉に潜む本当の気持ちは?

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質問と答えから見える
「事実」と「解釈」、そして「リフレ-ミング」

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私は、病状からまず訪問看護の導入を提案しました。

その後、初回診察に伺ってお話をして、
すぐにサ-ビス担当者会議を開催しました。

そして私は、○○さんにみんなの前でこう質問しました。

「○○さんはこのお部屋で
最期までゆっくり暮らしたいんですよね?」

これは

「死ぬときはパ-トナ-のそばで死にたい」

という気持ちを代弁する意味の質問です。

この質問にご本人は

しっかりした様子で「はい。」と。

私は言いました。

「ここにいるみんなで○○さんのお気持ちに沿っていきますよ。
でも、もし気持ちが変わったらいつでも言ってくださいね。」

そこからは○○さんを中心としたワンチ-ムが始動します。

私たちクリニックからの医療提供、

新たに依頼した外部の訪問看護事業所、

従来利用中の外部の訪問介護の事業所、

老人ホ-ム看護師(入浴前の病状確認他、緊急時の関わり)、

ケアマネ-ジャー、

時々電話で病状や日々の様子などを話す息子さんの妻……。

こうした編成で、看取りまでのケアが始まりました。

孤独死したらどうするの?的な

「普通とは違う大変な入居者さん」から

「希望を一緒に叶えたい○○さん」への

みんなのリフレ-ミング(視点の変容)が起こります。

そして、 ○○さんの自分の命への目線のリフレーミングも。

在宅での終末期までの
病状の安定と本人の満足度が

終末期の不安定な状態における
チームワークには必要不可欠なのです。

それから半年たちましたが、

今は初回の訪問当初より
心不全を評価するホルモン値も改善し、
胸痛発作もなくなり穏やかに生活されています。

看護師さんと一緒に仏壇の水を変えたり、ね。

さあ、これからが正念場です。

人生を一緒に楽しんでいきましょうか。

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軽やかな表現って大切

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「仏壇を持って行けないなら違う部屋には行かない!」

なんてストレートで率直な表現でしょう。

思わず希望を叶えたくなるような、潔い言葉。

○○さんの言葉から、

いかに自分の希望

パ-トナ-との関係の象徴である仏壇と

自分との関係を通じて垣間見える

その患者さんの生き方と死に方、つまり死生観を

簡潔で軽やかな言葉で表現することが大切かを教えていただきました。

マッピング的思考からの潔い言葉で

それを体現されていると

感じさせてくださった○○さんとのご縁。

自分の仏壇エピソ-ドともシンクロして、
私もそんな自由で豊かな最期、

あやかりたいなぁと思わずにはいられませんでした。

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元気なうちから
アイビ-マッピング的思考を意識した日常を。

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アイビ-マッピング的な思考。

それは

自分の、相手の発した言葉を元に、

「事実」と「解釈」から

「今の解釈のその先の新たな視点に気づく=リフレ-ミング」を

「行動」で切り開いていく思考。

そうした思考と行動で

想像を超えた「体験」をしていけると私は信じています。

そして、

自分自身の言葉の表現も相手の言葉の捉え方も、

人との心の交流も豊かになる。

軽やかで粋な表現をすることも出来るようになるんです。

みなさんも

日常にアイビーマッピング的な思考を取り入れてみませんか?

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今日の脳内ハッピーキーワードは

『軽やかな表現って大切』

この言葉を意識して
今日一日をハッピーに過ごしましょう!

投稿者プロフィール

Keiko Taniguchi